梅雨の憂鬱と『言葉(ことのは)』
”五月雨の つづける年の ながめには 物思ひあへる 我ぞわびしき”
ー詠み人知らず
今から1000年以上も前、西暦950年代に編纂された「後撰和歌集」に選ばれている 和歌です。
今年の大河ドラマ「光る君へ」の主人公、紫式部が生まれるよりも少し前の歌です。
現代語にすると、
「梅雨の雨が続くのをぼんやりと眺めていると物思いが尽きず、そんな自分が悲しい」
という意味になります。
今年は6月後半と、例年よりも遅い梅雨入りとなりました。
この時期になると天候も不安定で、どうしても気が滅入ってしまい鬱々としてしまう方が増えます。
でも、梅雨時に憂鬱になってしまうのは1000年以上前から変わらないのですね。 1000年前と我々は、生活も言葉も何もかも違うはずです。それでも、そこには同じ感性を持った人がいたのでしょう。
そう思うと、少し不思議な感覚になってきませんか。少し「をかし」な感覚です。
梅雨の長雨に対しても、どこか可愛らしい、愛おしい気持ちになってきます。
(梅雨に対しても素敵と思えるのは枕草子の世界ですね)
いろいろな知識、言葉を得ることで、カウンセリングの効果は高まり、不安や心配事に対して自分 自身をコントロールしてゆけます。
当センターでは、心理学や生理学、医学などに基づいた知識だけでなく、面接の中で、こうした古典、ことわざ、慣用句など、先人が創り出した知恵も様々お伝えしています。
私たちは言葉を使って物事を考えます。口にせずとも言葉は心を耕します。
カウンセリングは、多くの言葉を紡いでゆきます。
以前、とあるカウンセラーの先生が 「カウンセリングを学ぶ上で、心理学より、日本語、国語を学ぶことが大切である」 と仰っておられました。
言葉を知って、心を知ってゆく、横浜心理トレーニングセンターのカウンセリングを是非ご体験ください。